ジャイアンリサイタルのHPのようなblog『swingしなけりゃ意味ないっしょ!』

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我がバンドマン人生、至福の時(前編)

2月23日

2005年2月20日。僕はこの日を一生忘れないでしょう。
僕が最も敬愛するミュージシャン、Mr.Dan Hicksのオープニング・アクトを
務めることが出来たのです。
まさか自分が憧れのアーティストと同じステージに立つ機会を得るなんて
夢にも思っていませんでした。
未だ興奮冷めやらず、上手く文章でお伝えできるかどうか甚だ不安ではありますが
時を追って思い返していきたいと思います。

2005/02/20 

15:45 地下鉄「すすきの」駅を降り、ギターケースを片手に一路「ベッシーホール」へ。
      その道すがら、急に胸が苦しくなる。
      「これから、あのDan Hicksの前座で演奏するんだ・・・!」
      そう考えると急に猛烈な緊張感が襲ってきた。
      何度も大きく深呼吸をしながらベッシーへと独り歩く。

15:55 ベッシーホール到着。すると既に地元招聘スタッフの白幡さんと工藤さんが。
      「この雪で飛行機が遅れていてね・・・実はまだDan Hicks達着いてないんだ」
      とのこと。そういえば家を出てくる前にTVで恵庭~北広島間の高速道路通行止め
      とのテロップが流れていたのを思い出し、予定通り到着するのか少し不安になる。

16:05 ジャイアンリサイタルRhythm Kingsのメンバーが次々と到着。
      うっちぃの化粧が普段より入念に施されていて今回のステージへの
      意気込みが感じられた(笑)。

16:20 ベッシーのロビーでみんなでたむろしているところに、Dan Hicksのツアー
      スタッフの方々が楽器を手に飛び込んできた!ついにご一行様到着か!?
      固唾を呑んで見守っていると続いてHot Licksのメンバーが入ってきた。
      皆長旅の疲れも見せずリラックスしている様子。一人一人が笑顔で会場内に
      入っていく。・・・そしてひときわ図体のでかい男がラフないでたちでロビーに
      姿を現した!Mr.Dan Hicksだ!!彼は硬直している我々に気付くと足を止め
      「Hallo!」「ハ、ハ、ハロ~」とうわずった声で返すのがやっとの僕達。
      軽快な足取りで控え室へと入っていくDanを呆然と見送った後、沈黙を切り裂いて
      ideちゃんが一言。「・・・本物だよ・・・」全員が同じ感想であったことは想像に
      難くない。

16:30 Dan Hicks一行はくつろぐ間もなくリハーサルへ。僕らも見学させてもらおうと
      ホール内へ入った。ステージにあがったDan & Hot Licksは異常にテンションが
      高い。とにかく笑顔が絶えない。誰かが試しにとワンフレーズ弾いただけで、嬉しさ
      を堪え切れぬとばかりにすぐさま踊り出すリケッツのスーザンとロビン。な、なんて
      キュートなんだ~!
      とにかくメンバー全員がリハーサルから本当に楽しそうに演奏している。なんとも
      言えない幸せな空気がホールを包み込んでいた。そう、これがDan Hicks&
      Hot Licksのステージなんだ!「バンドってこんなに楽しいんだぜ!」と今更ながら
      教えてもらった気がした。お陰でそこに居た僕もいつの間にか妙な緊張が解け、
      「この最高の空間と時間を、目一杯楽しまなきゃウソだぜ!」とポジティブに考えら
      れるようにようになっていた。このリハーサルに立ち会えただけでも前座を務めて
      良かったと心から思う。

17:00 Dan & Hot Licksのリハは驚くほど早く終了。やはり世界を股にかけるツアー
      バンドは手際が良い。加えて長年ベッシーホールのサウンドを作ってきたはっちさん
      の腕前も見逃せない。ジャイアンのリハ終了後、澤田さんが改めてベッシーの音の
      良さに感動していた。「“俺のベースってこんなにいい音がするんだ~”って思った」
      とは澤田さんの弁。
      リハを終えたHot Licksのコーラス隊「リケッツ」の一人、スーザンがフロアで見学
      していた僕らの所までわざわざ来てくれて話しかけてくれた。彼女は長年リケッツで
      Danと共に活動してきたHot Licksの影の重鎮であり、ムードメーカーでもある。
      僕らにとってはまさしく雲の上の存在であるにもかかわらず、本当に気さくで気取っ
      たところがなく優しい女性だった。
      “今日はどんな曲をやるのか”と聞かれたので「オールド・ジャズをやります」と答え
      たら子供のように喜んでくれた。僕にはそれがとても嬉しかった。きっと彼女達も、
      僕らと音楽の趣味は近いはず。だからこそこのメンバーで前座に臨みたかったの
      だ。また、彼女は紅一点のうっちぃに大いに関心を示し、「アナタが一番可愛いわ
      ね!」と言った(らしい)。それを聞いたサポートメンバーの面々は「やはり、うっちぃ
      とウォッシュボードは万国共通で人気があるねえ」とワケの分からない納得の仕方
      をしていた(笑
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        気さくに話しかけてくれたスーザン。とても優しい女性で感激しました。
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         中央の女性は今回通訳を買って出てくれた才女、アツコさん。
       彼女のお陰でいっぱいコミニュケーションがとれました。本当にありがとう!


17:10 今回のツアーを仕切っているスマッシュ・イーストの社長さんと白幡さんがロビーで
      なにやら話し込んでいる。どうやら思ったほど前売りが延びていない様子。
      万が一にも寂しい状況にならないよう、椅子とテーブルを並べることにする。
      以前白幡さんが言っていた「北海道ではダン・ヒックスはジェフ・マルダーよりも
      客が入らないかも知れない」という言葉が頭をよぎる。なんでだー?と自問しながら
      みんなで椅子を並べる。

17:25 今回のステージで着る為会場内でツアーTシャツを購入。アメリカンサイズだという
      のでMサイズを買ってその場で着てみたら、やっぱりちょっとぴちぴち(笑)。
      一緒にMサイズを買ったマコっちゃんが封を開けていなかったので、それをLサイズ
      のものと交換してもらい、俺が一度袖を通したMサイズのシャツがマコっちゃんの
      ものとなった。「なんか嫌だー」と半ベソのマコっちゃん(笑)。ゴメンね恩に着るよ。

17:30 いよいよ開場!ロビーのモニターにホールの玄関先が映し出されている。結構な
      行列。しかし安心は出来ない。どのくらいの人がDan Hicksを見に来てくれる
      だろう・・・?なんといってもDan Hicks初の札幌公演。今日の成功度合いに
      よっては次回のジャパンツアーでも札幌が候補地となる可能性が出てくるのだ。
      祈るような気持ちで本番を待つ。

17:55 しばしロビーで煙草をふかし、本番に備えてホールに入ろうとしたその時、中から
      ideちゃんが興奮した面持ちで飛び出して来た。
      「お客さん、スゴイ入りだよ!」
      「!?」
      驚いて中を覗くと既に足の踏み場も無いほどの人・人・人!!
      いつの間にこんなに入ったんだ!?しかもまだお客さんはぞくぞくと集まって
      きている。一気に興奮が高まる。ちきしょーやったぜ!やっぱりみんなDan Hicks
      を待っていたんだ!
      「ほらみろ!」って言いたい気持ちだった。誰にってわけじゃないけれど。
      北海道の音楽ファンだって棄てたもんじゃないぜって叫びたかった。
      これで自分の中の不安は半分は解消された。後は前座である自分達のステージで
      あり、今夜の主役、Dan Hicks & The Hot Licksだ。さぁ間もなく開演だ!

18:10 予定より10分遅れでいよいよ開演。ステージにあがりギターを抱えて会場を見渡し
      てみる。全ての空間が人で埋め尽くされている・・・壮観だ。こんなにたくさんのお客
      さんの前で演奏できるんだ。しかもDan Hicksの前座として。更にアドレナリンが
      吹き出す。しかし不思議なくらい緊張感はなかった。(後で聞いたらバックのメンバ
      ーは死ぬ程緊張していたらしいが:笑)KAZUYAさんも認める「小心者でビビリ屋」
      の自分が、と本当に不思議でしょうがなかった。やはりDan達のリハを見たのを
      きっかけに、それまでのテンパりまくりの精神状態とはがらりと変わっている。こん
      な大舞台を冷静かつ心から楽しんでいる自分がいる。どうしちゃったの?俺(笑)。
      とにかく用意していった曲を立て続けに演奏する。すると最初は腕組みをして眺め
      ていた客席からチラホラと手拍子が!よく見ると前の方のお客さんは足でリズムを
      刻んでいる。そして中盤からは1曲終わるごとに温かい拍手と歓声を送ってくれた。
      ある程度ネームバリューのある前座ならいざ知らず、全く無名の下手くそなアマチ
      ュア・ミュージシャンに対して、なんて寛容なお客様(笑)。でも正直に告白します。
      ウケようとウケまいとあの時の僕にははっきり言って関係無かった。僕はあの時、
      完全にアッチの世界にいってましたから(笑)。ただ、僕らの音が控え室に居るDan
      やHot Licksのメンバーの耳にも届いていればいいなぁとだけ思いながら演奏して
      いました。あなた方がgood time musicを愛しているように、僕らも心から愛して
      います・・そんな想いが少しでも伝わればと願いながら一生懸命唄ったつもりです。

18:40 オープニングアクト無事終了。みんなで楽器を抱えてロビーへ戻る。
      (当然の事ながら我々に控え室など存在しない:笑)うっちぃが「みんなで練習した
      時のこととか思い出して、途中で涙目になっちゃった」などと泣かせるセリフを吐く。
      僕は一息つく間もなく会場内へと戻った。実は開演前から最前列のど真ん中の席
      に上着を置いてリザーヴしておいたのだ。「汚いぞ!」等の苦情は掲示板へ(笑)。
      これが前座を務める者の特権です!

19:00 控え室のドアが開き、歓声が上がる。いよいよDan Hicks & The Hot Licksの
      スタートだ!みんなリハの時はラフな服装だったのに、本番は見事にドレスアップ
      していてビックリ。特にコーラス隊のリケッツ(スーザン&ロビン)のセクシーなこと!
      胸元の大きく開いたドレスを纏い、化粧もバッチリ!もちろんDan親分も鯔背な
      シャツに黒いパンツで決まってる!カ、カッコイイ!ステージに立っているだけで
      シビレました!これぞスターってもんです!
      1曲目からノリまくるDan。得意のキース・リチャーズばりのキックも連発。
      客席もその度に大歓声で応える。みんな本当にDan Hicksを待っていたんだなー
      と改めて実感。数曲演奏したところでDanの初MC。
      「日本語喋ろうと思えば喋れるんだけど、まあ今日は英語でいくよ」
      出た!得意のオトボケ。この人は真顔でボソッと可笑しいことを言うから余計
      可笑しい(笑)。
      アタマのイントロを何小節か弾いてから、おもむろにカウントを取るのもDanの
      スタイル。これがまたカッコイイ!
      途中、定番であるリケッツとのユーモラスなダンスは勿論、リードギターにソロを
      弾かせておいて、さも自分が弾いているが如くヘビメタのようなオーバーアクション
      でおどけて見せたりと、これぞDan Hicks's Show!と言える充実したステージを
      展開してくれた。勿論サウンド自体の格好良さは言わずもがな。とびきりスウィンギ
      ーで、とびきりヒップで、そしてちょっとだけセンチメンタル。ファンの人もあまり触れ
      ないのが不思議なのだが、Danのスローナンバーはどれも素晴らしく美しい。実は
      ポップス界屈指のメロディメーカーでもあると僕は密かに思っているのだが。
      (“Beatin'the Heat”に収録されている「Driftin'」なんて珠玉の名曲だ)
      あーこんなステージが札幌で見られる日が来るなんて。しかも席は最前列ど真ん
      中ストレート(笑)。時間が経つのも忘れ、いやいっそ時が止まって欲しいとさえ
      思った至福のひとときでありました。

20:30 アンコールにも応え、全ての演奏が終了。会場のファンはまだまだ聴きたいといった
      雰囲気だったけれど、アメリカから到着した当日のライヴでもあり、時差ボケだって
      治らないうちからのツアー初日なわけで、Danの疲労度は端からも見て取れるほど
      だったのであれ以上求めるのは酷でしょう。 
      それでも、ステージ終了後もサインの求めに気さくに応じるなど最後までファン
      サービスに努めてくれたDan Hicks。「アナタはプロだ!」と感心せずにはいられ
      ませんでした。勿論ご多分に漏れず、ウチのメンバーも僕を含めてサインをもらった
      のは言うまでもありませんが(笑)。

以上がライヴリポートでありますが、実は至福の時はまだまだ続くのです・・・・
次回「Hot Licksと打ち上げ編」で感動のエンディングが待っています!
乞うご期待!(つづく)

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         ダン・ヒックスに憧れて購入したGUILD F-50にサインをしてもらう俺
         「貴方に憧れて使っています」と説明したら嬉しそうに笑ってくれました!

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             リケッツのスーザンにもサインをもらう。うーんキュート!

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             同じくリケッツのロビンにも。わおっセクシーダイナマイッ!

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                 普段クールな大将も思わずミーハーする(笑

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               マコっちゃんはマンドリンにサインしてもらいました

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                   ミノルはTシャツにサインをもらっています

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                    ・・・で、ideちゃんが洗濯板と(笑

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           ダン・ヒックスとリケッツの2人。絵になるんだよなあ、これが。


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                共演者で記念撮影。はっきり言って家宝ですっ!
by fatswaller | 2005-02-23 01:01 | ジャイアンな日記♪ | Comments(2)
Commented by ユタカ at 2005-02-25 14:55 x
MyClipから飛んできました。
素晴らしい体験をされたのですね。
何と言えばいいのかワカラナイのですけど、とにかくスゴイ!
そういう忘れられない体験が出来るようになりたいな、と思います。
トラックバックさせて頂きました(^^)
これからも頑張って下さい。フロムトーキョー。
Commented by じゃいあん青木 at 2005-02-26 01:27 x
ユタカさん、はじめまして!我がblogにようこそお越し下さいました。
また温かいお言葉を頂戴し、恐縮至極にございます。
貴殿のblog、読ませて頂きました。
自分と同じ考えをお持ちなので正直驚きました!
「自分が良いと感じた曲を人様にも伝えたいっ!」
そんな、ただ一途な想いなんですよね。
自分で書いてるんだから人の曲をやる必要はない、というのは
非常に了見の狭い意見だと僕は思います。
僕自身、他人の曲でも気に入ればすぐカバーしますし(笑)、逆に自分達の曲を
ユタカさんのように言ってもらえたらもの凄く嬉しいですけどねぇ。
ユタカさんの考えを否定された方は、ひょっとしたらその方なりの励ましだったのかも
知れませんけどね。
僕はただの音楽好きなのでクリエイトすることに対してのプライドなんてもんは
これっぽっちも持ち合わせておりませんが(笑)。
長くなりましたが、ユタカさんはプロレスにも興味をお持ちのご様子(!)。
是非一度ゆっくりお話してみたいですなー。
また遊びに来て下さい。こちらからもお邪魔させて頂きます。

札幌で活動しているswing&jiveバンド「ジャイアンリサイタル」のメンバーが綴るよもやま日記とバンド情報


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